Pt. 15 | 全パート
オマケ:右派の反応
最初の方で軽く触れたとおり、右派からは強烈な拒否反応が生じている。何が気に入らないのかというと、①白人ではない、②スペイン語、③(プエルトリコ出身者はアメリカ国籍であるということを知らない人が多いらしく、思い違いだけど)移民である、④トランプ政権を批判している、といったところだろうか。
WIRED.jp「バッド・バニーのスーパーボウル起用にMAGAが反発。米国の分断が浮き彫りに」(Anna Lagos/2025年10月12日)
その後、銃殺されたことで話題になった故チャーリー・カークが代表を務めた保守団体ターニング・ポイントUSA(以下、TPUSA)が裏番組を企画し、トランプ派で有名なキッド・ロックがその他保守派のミュージシャン数名と共に出演した。
朝日新聞「バッド・バニーのスーパーボウル出演に注目 右派は別番組を放映へ」(田中恭太/2026年2月6日 13:30/有料記事/2026年2月9日閲覧)
一人、本物の方のハーフタイムショーに出演すると勘違いしている可能性なきにしもあらずといった投稿をしているミュージシャンがいてちょっと心配になった(出典)。
出演者が発表されたときの私の反応も正直まさにこれだった:
キッド・ロックかニッキー・ミナージュしかいないのか、と。
TPUSAのハーフタイムショーは実際に観てはいないけれども、どうなったか気にはなるので軽く検索していみると、だいぶ散々なものだったらしい。
ローリングストーン ジャパン「キッド・ロック、米右派「アンチ・ハーフタイムショー」でやる気のない口パクを披露」(NIKKI MCCANN RAMIREZ/2026/02/09 14:15)
それぞれ他の媒体での配信等もある(特に公式の方はテレビ放送もあった)ので正確な比較ではないけれども、あくまでも参考用に、公開後1時間の時点では公式は約170万回、裏番組は1万3793回。
2026年2月10日午前4時現在(私もいい加減寝た方がいい)のYouTubeでの再生回数は公式(公開後約13時間)は約2500万回、裏番組(公開後約17時間)は約1900万回。
国名を列挙していたあたりで後ろに写っている大画面の「THE ONLY THING MORE POWERFUL THAN HATE IS LOVE」(毎日新聞訳「憎しみよりも強いのは愛だけだ」)が結果的に右派に対するメッセージとなっている。なお右派へのメッセージだと具体的に書いてあるわけではないし、バッド・バニーがそう言ったわけでもない。
毎日新聞「米人気歌手『憎しみより愛』、移民政策を批判 スーパーボウル」(2026年2月9日 15:46公開/2026年2月9日 20:35更新)
トランプがかなり早々に酷評を投稿していた。(少なくともその時点では)裏番組には触れておらず、「キッド・ロックの方は見ていないのか」と、たくさんの人につっこまれていた。
CNN「Trump calls Bad Bunny’s Super Bowl halftime show performance ‘one of the worst, EVER’」(Hanna Park, Kit Maher/2026年2月9日 12:31 ET公開/2026年2月9日 8:35 ET更新)
推敲中の追記:白人が足りなくて見られたものではないというような人種差別丸出しの感想を述べていた右派のインフルエンサー(出典)が、今度は「プエルトリコでは電力網の深刻な問題が起きているのに、問題提起をせずにパフォーマンスに電柱を利用するなんて皮肉なものだ」(要約)と言っているらしい(出典)。パフォーマンスによる問題提起という概念はない模様。
オマケ2:プエルトリコの人たちの反応
ポジティブな内容で終わることにしよう。バッド・バニーのハーフタイムショーは当然、地元プエルトリコでも注目されていた。前述の「ボリクア」から「スーパーボウルサンデー」を「スーパーボリサンデー」と呼ぶ人や、「ベニートボウル:モルシージャ、サンコチョ、モフォンゴ、レゲトン、そしてちょっとだけフットボールも」と呼ぶ人も(モルシージャ、サンコチョ、モフォンゴはいずれも料理名)。APの記事内で触れられている「Bad Bunny 101」についての投稿者はさんのことと思われる。
AP News「Puerto Rico stops for 13 minutes to applaud history and bask in Bad Bunny’s glow」(Dánica Coto/2026年2月9日 13:28 GMT更新/2026年2月10日閲覧)
Among those beaming after the show was Juliana Santiago, 35, who said her heart swelled with pride on Sunday night.
She said Bad Bunny proved that “you can accomplish things, that the American dream truly is real.”
Kagi Translateによる機械翻訳に少し手を加えたもの:
終演後、晴れやかな表情を見せていた一人のフリアナ・サンティアゴさん(35)は、日曜の夜、誇らしさで胸がいっぱいになったと語る。
彼女は、バッド・バニーが「物事は成し遂げられるということ、そしてアメリカン・ドリームが紛れもない現実であること」を証明してくれたと話した。
数々のビューイングパーティーが行われ、凄まじく盛り上がっていた様子。
ワシントン・ポスト(YouTube)「Puerto Rico sings along to Bad Bunny's Super Bowl halftime show」(2026年2月10日)